研究テーマ

両親媒性ランダム共重合体は花型ミセルやフラワーネックレスを形成する

 両親媒性ランダム共重合体には、重合度と組成に関する分布が存在する。そのために、両親媒性ブロック共重合体と比べると、水溶液中で秩序性の低い自己集合体を形成すると思われている。しかしながら、ランダム共重合体の主鎖には一般に固有の剛直性があり、また疎水基として導入されたアルキル鎖の長さは揃っているので、疎水性コアを形成するアルキル鎖数には最適会合数があり、重合度と組成の分布があっても、水溶液中ではサイズの揃ったミセル(花型ミセル、フラワーネックレス)が形成される。

両親媒性ブロック共重合体は必ずしも綺麗なミセルを形成するとは限らない

 両親媒性ブロック共重合体が、選択溶媒中で規則的なミセル(球状ミセル、円筒状ミセル、ベシクル等)を形成することは古くからよく知られている。しかしながら、そのブロック鎖長から予想されるミセルのサイズよりもずっと大きい自己集合体が形成されることがしばしば報告されている。そのような場合には、よく知られているミセル構造が形成されていない可能性がある。異種のブロック鎖間の溶媒に対する相互作用パラメータがそれほど違わない場合には、ブロック共重合体の溶液は液ー液相分離を引き起こす。